結婚式のスピーチでの多少の悪ふざけやウケ狙い

結婚式はお祝い事なので、多少の悪ふざけやウケ狙いはアリと思います。

新郎の友人となると笑いを期待されていることのほうが多いと思います。
面白いスピーチの基本は、芸人言葉で言うと新婚夫婦を「いじる」ことです。

「いじる」というのは新郎または新婦(新郎の友人であれば主に新郎)に何か言葉を投げかけて、その反応を見るということです。その場合、新郎に関する失敗談や、新婦に猛アタックをかけている時のエピソードなどが同じく芸人言葉で言うと「オイシイ」ということになります。

これは実際に聞いたある結婚式でのスピーチです。新郎とは学生時代の友人という男性が登場し、軽妙な口調でスピーチをしていました。それによると、新郎は大の遅刻常習犯だそうです。大学の授業に遅れるのは当たり前、友人たちとの飲み会などにも時間通り来たことがないということでした。そんな新郎が唯一時間通りにやって来た場所があります、それはどこだと思いますかと新郎に直接尋ねます。新郎は心当たりが無いので分からないと答えました。正解はこの結婚式にだけは時間通りやって来たということでした。それだけ新婦の○○さんとの結婚を大事にしているということなのでしょう、末永くお幸せに...という具合です。

もっと過激なものもありました。これも実際にある結婚式で見た友人のスピーチです。男性2人でのスピーチだったのですが、スピーチというよりほとんどコント。早い話が二人の馴れ初めをコント仕立てにして紹介すると言ったもので、馴れ初めを知らない出席者にとっては興味深いことですし、片方の"新婦役"を演じていた友人はご丁寧に新婦とよく似た髪型のカツラをかぶる徹底ぶりです。ほとんどコントなので場内は笑いの渦と化して大変面白いスピーチ(?)だったのですが、遂に友達から恋人になった日のシーンになるや、キスシーンだけは本物に任せようという仕掛けでした。新郎・新婦もそれは聞かされていなかったようで驚いている様子でしたが、そこはめでたくラストシーンを締めくくってスピーチは終了。年配の出席者などは不愉快な人も居るのではと心配になりましたが、大変面白かったとご満悦でした。

これら2つのケースは、どちらも新郎と友人との人間関係が完全に出来上がっているからこそ出来ることです。

付き合いの長い友人だからこそシャレが通じるわけですし、友人もどこまでやって良いのかという勘所をわきまえています。ひとつ間違うとただの悪口になってしまうことでもあるので、普段からの人間関係が物を言いますね。



目上の立場として結婚式スピーチ

あなたが新郎・新婦のどちらか若しくは両方の上司や目上に当たる人だとします。

そんな立場で招待され、結婚式スピーチを頼まれたということは、あなたは主賓です。

スピーチの順序や取扱いも全てにおいて、最も位の高いポジションでのスピーチを
することになります。

職場恋愛でゴールインしたカップルの結婚式で、あなたがその職場のボスだったとすると、
新郎・新婦両方についてある程度の情報はあるでしょう。
その場合は二人の馴れ初めや仕事ぶり、生活ぶりについての話をしても面白みがあると思います。ですが、主賓として招待されている人の場合はそうでない場合も多いですね。つまり新郎・新婦についての情報をそれほど持ち合わせいないということです。

そんな場合でもスピーチの内容に困る必要はありません。あなたは人生の先輩なのですから、すでに長い期間にわたって結婚生活を送ってきた先輩として、またそれだけではなく社会人の、そして人生の先輩としてのアドバイスをしてあげることに重点を置いてください。結婚生活には色々な出来事があります。楽しいことばかりではありませんから、そういった局面がおとずれた際に二人でどうやって乗り切っていくのか、実際に体験した人の話は迫力があります。あまりネガティヴな話は良くないですが、ある程度逆境になった際の話でも良いと思います。

目上の立場として結婚式スピーチに臨む人がおそらく一番多いので、結婚式スピーチの文例集などを見ても、このような立場の人が話すことを想定しているものが一番多いように思います。目上の立場ということもあって、普段から友達付き合いをしていることは少なく、友人の立場から話すような笑いを誘う話はあまり無いと思います。それでいいのです。
お笑い芸人ではないのですから、何も結婚式スピーチで必ずしも笑いを取る必要はありません。友人代表などの人がスピーチをする際には変装をしたり替え歌を歌ったり、ショートコントのようなお芝居をして笑いを取るシーンをよく目にします。こういうことは同年代の友人たちに任せておけば良いのです。

主賓のスピーチなんて形式的なものだから、ちゃんと聞いている人なんてほとんど居ない、というくらいに思っておいたほうが、気が楽になっていいかも知れませんね。

その場所まで駆けつけて結婚式スピーチまでやったのですから、新郎・新婦だけでなく親族などの関係者はそれだけでも充分喜んでくれているはずですし、感謝されているはずです。



友人として結婚式のスピーチを頼まれた場合

友人として結婚式のスピーチを頼まれた場合は?

招待される友人はあなただけではないでしょうから、その中の代表として選ばれたあなたに期待されていることは、結婚式を盛り上げることです。

筆者は大阪在住です。
大阪というと何でもお笑いにしてしまうというイメージがありますが、それはあながち間違っていません。筆者が友人の結婚式にてスピーチを頼まれた際に「笑いを取って欲しい」と、はっきり頼まれたのを覚えています。実際にどこまで笑いが取れたのかという顛末についてはさておき、筆者自身の結婚式でも友人のスピーチには一番面白いと思う人を2人選んだことを記憶しています。もっとも、これは新郎の友人にとって言えることで、新婦の友人にまで笑いを求めることはないでしょうが(笑)

普通に話す人も当然居ますが、やはり漫才やコントにしたり、楽器が出来る人はギターなどで弾き語りをすることもあります。筆者はこれら全てを実際に見てきましたがどの人も期待通りの「仕事」をしていたように思います。そういう意味では結婚式スピーチは友人のほうが託されているものが大きいかも知れませんので、むしろプレッシャーが大きいかも知れません。
対等の立場で新郎・新婦どちらとも面識があることが多いですから、二人の馴れ初めや交際期間のエピソードなどを話すと他の出席者にとっては新鮮な話が多く、面白いと思います。もっとも、披露宴はまだ親族の方々が出席しているのであまりきわどい話はまずいと思いますが。そういうきわどい話は無礼講になる二次会で。

実際にあったエピソードに加えて、友人という立場の人は新郎または新婦についての人間性もよく熟知しているはずです。結婚するほどの年齢になってからはご両親よりも色んな意味で詳しいことが普通ですから、新郎または新婦の人間性についての話も良いと思います。

単に「この人はこういう人です」と言うだけでは話としての面白味に欠けるのと、結婚式のスピーチとしての意味を持たないので、例えば新郎が非常に親分肌で面倒見の良い人であれば、「新郎は親分肌で面倒見のいいところがあるので、何でも俺に任せろという性格は家庭をしっかりと守れると思います」という感じで結婚生活に結びつけると、とても前向きで頼もしい人だという印象を新婦側の人々にも与えます。先ほどもお話しましたが、披露宴はあくまでも持ち上げることが基本です。落とすのは二次会まで待ちましょう。

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